ハチビキ科(Emmelichthyidae)は、スズキ目スズキ亜目に所属する魚類の分類群の一つ。3属からなり、ハチビキ・ロウソクチビキなど底生性の海水魚を中心におよそ15種が含まれる。

分布

ハチビキ科の魚類はインド洋・太平洋南西部・東部大西洋・カリブ海など、熱帯から温帯にかけての温暖な海に分布する。海底近くを遊泳する底生魚で、成魚は一般に水深100-400mの深みで生活する。

形態

ハチビキ科の仲間はやや左右に側扁した紡錘形の体型をしており、体長は最大で50cmほどになる。体色は赤みがかったものが多い。顎を大きく突き出すことができるが、ほとんどの種類は顎の歯を欠く。主上顎骨は後方に拡張し、口を閉じたときに前眼窩骨に覆われない。上主上顎骨は顕著に発達する。吻の軟骨は大きい。

背鰭の形態は属によって異なり、基部に達する大きな切れ込みをもつハチビキ属、やや小さな切れ込みの Plagiogeneion 属、独立した数本の棘条を介して明瞭に2つの部分に分かれるロウソクチビキ属などさまざま。背鰭の棘条は11-14本、軟条は9-12本で、臀鰭は3棘9-11軟条。尾鰭は二又に分かれ、ハサミのような独特な形状をとる。鰓条骨・椎骨はそれぞれ7個・24個。

分類

ハチビキ科は3属15種で構成される。

  • ハチビキ属 Erythrocles
    • ハチビキ Erythrocles schlegelii
    • ハワイチビキ Erythrocles scintillarns
    • ヒチビキ Erythrocles microceps
    • Erythrocles acarina
    • Erythrocles monodi
    • Erythrocles taeniatus
  • ロウソクチビキ属 Emmelichthys
    • Emmelichthys elongatus
    • トゲナシチビキ Emmelichthys karnellai
    • ロウソクチビキ Emmelichthys struhsakeri
    • Emmelichthys marisrubri
    • ホソチビキ Emmelichthys nitidus
    • フンボルトハチビキ Emmelichthys cyanescens
    • Emmelichthys ruber
  • ナンヨウハチビキ属 Plagiogeneion
    • Plagiogeneion fiolenti
    • Plagiogeneion geminatum
    • Plagiogeneion macrolepis
    • ナンヨウハチビキ Plagiogeneion rubiginosum
    • Plagiogeneion unispina

出典・脚注

参考文献

  • Joseph S. Nelson 『Fishes of the World Fourth Edition』 Wiley & Sons, Inc. 2006年 ISBN 0-471-25031-7
  • 岡村収・尼岡邦夫監修 『日本の海水魚』 山と溪谷社 1997年 ISBN 4-635-09027-2

外部リンク

  • FishBase‐ハチビキ科 (英語)
  • スズキ目専門・スズキ目一覧表

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キオビハバチ

ハチビキ|としとしWeb水族館・魚図鑑

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